BIRD SONG JOURNAL / natural mistic

2023.6.18

今日も雨か。
昨夜から気持ち良いほど潔よく降り続いている。
5月の連休が過ぎると島はひと足先に梅雨入りだ。

奄美大島といえば南国の青い海、青い空を期待してしまうが実は雨の日が多いのである。
屋根を打ち付けるスコールの様な激しい雨、霧のようにねっとりと肌にまとわりつく様な雨。もんもんとした湿気と止まない雨で体調を崩してしまう人も少なくない。

島に来て私は雨が好きになった。
好きになったというより雨の美しさ、恐ろしさをより身近に感じるようになった。
水を得て生き生きとした植物や霧に包まれた幻想的な森。
呼吸と一体化する様な力強く、それでいてなぜか安心感さえも感じる激しくも心地よい雨の音色。
たわわに実ったスモモ、パッションフルーツはこの季節のご馳走だ。まさに恵みの雨である。

雨降り続きで少し残念そうなお客様に今日も笑顔でこう伝えよう。
「雨の日こそ奄美らしい」と。
パッと明るい表情になったお客様をみると嬉しくなる。

島では羽蟻が3回飛ぶと梅雨明けだと言われている。
束の間の雨上がり、浜辺から遠くの空を眺めていると厚い雲の隙間からかすかに夏の日差しが差し込んでいた。
真っ青な空。
空へと続く幾つもの青がゆったりと輝く海。

夏はもうすぐそこまで来ている。

Km