BIRD SONG JOURNAL / 水の色

2020.5.8

まだ光の柔らかい季節、空は透けるような水色で、

桜の落ちた水面はきれいな水色の絨毯のようだった。

青にも白にも溶けそうな、軽やかな春の青。

 

生き物の声とともに少しずつ、太陽の光が強まり出したら、

空は宝石のようなきれいな青色で、

海も空も、きらきら、ぴかぴか、輝きがまぶしい。

 

水には、様々な色彩の波をもった太陽光の中から

赤色の成分を吸収する特質があるのだと本で読んだ。

たくさんの水分を含んだ海も空も、

日差しが強い季節には、その分の赤を吸収して、いっそう青さを強くする。

これからやってくるのは、夏の青。

 

季節を伝う水の色に、美しいと驚いたり、心なでられ安心したり、

「春 まだかなぁ」
「夏 まだかなぁ」

秋も、冬もまだかなぁと、一年じゅう青の具合を気にしながら

もちろん今日も海や空を眺めている。

夕暮れの空には桃色の雲がさまよい、

まあるい月が夜へと転がっていく。

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