まだ光の柔らかい季節、空は透けるような水色で、
桜の落ちた水面はきれいな水色の絨毯のようだった。
青にも白にも溶けそうな、軽やかな春の青。
生き物の声とともに少しずつ、太陽の光が強まり出したら、
空は宝石のようなきれいな青色で、
海も空も、きらきら、ぴかぴか、輝きがまぶしい。
水には、様々な色彩の波をもった太陽光の中から
赤色の成分を吸収する特質があるのだと本で読んだ。
たくさんの水分を含んだ海も空も、
日差しが強い季節には、その分の赤を吸収して、いっそう青さを強くする。
これからやってくるのは、夏の青。
季節を伝う水の色に、美しいと驚いたり、心なでられ安心したり、
「春 まだかなぁ」
「夏 まだかなぁ」
秋も、冬もまだかなぁと、一年じゅう青の具合を気にしながら
もちろん今日も海や空を眺めている。
夕暮れの空には桃色の雲がさまよい、
まあるい月が夜へと転がっていく。
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