シマのおじやおばはあらゆる柑橘の果物をミカンと言う。

サワーポメロみたいな大きくて黄色いのも、スダチのような小さくて緑色のも、まん丸や楕円体のオレンジ色のも、これ何？と聞くと「それはミカンだ」と。
これタンカン？と聞くと「それは違う！」と言う。
タンカンとミカンを間違えることはないし、それらを混同することを決してしない。

どうやらタンカンだけは格別のようだ。彼らの呼ぶその4文字の中には少し誇りや愛着が含まれてる気がする。

2月1日に解禁されて、今の時期の奄美はたんかんの最盛期。
いつもは何もない道端の掘立て小屋にも袋や箱に詰まったたんかんがたくさん積まれている。
郵便局のお姉さんも宅急便のお兄さんも、たんかん運びに大忙し。

「今年のたんかんは甘い」と隣のおじが言っていた。わたしの口にはたんかんはいつも甘くて美味しいが、そうゆう風に言われるといつもより甘い気もしてくる。

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